☆右手が鳴ったか、左手が鳴ったか?

両手を打ち鳴らしたときに、鳴ったのは右手か、左手か、と言う禅の公案があるようです。

勿論この問いは分別知を離れ、形而上学的思考を要求されているので答えは一つではなく、当然それぞれの答えがあって然るべきです。この形而上学的思考のプロセスが重要です。

一方、最近の新聞記事によると、この問題に米国のコーネル大学他の研究チームが科学的アプローチを試み、拍手したときに鳴る音は両手の間の空洞の空気が、親指と人差し指の根元の隙間から噴き出す時の音であると結論づけました。

私は武道の稽古において、肉体の動きを機能的に考察するのが個人的には好きで大切なこととは思いますが、これだけだと単なるスポーツ化した武術に留まってしまう恐れは認識し、意識の働きの重要性も理解しております。

剣武天真流の創始青木宏之師は、この剣武を学ぶ究極的目的は、何ものにも囚われず自由となり、宇宙の根源的真理と一体になることであると述べております。

毎回の稽古で自身がこの目的に一歩でも近づいているのか、又指導者の一人として稽古参加者にそのような方向性を提示出来ているのか、自問しております。

以上

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