☆「天地人々ワレ一体、・・・」

天真会の稽古の始めと終わりには、何年前からかは忘れましたが、参加者全員で「天地人々ワレ一体、全方向に感謝の礼」と唱え礼を行います。

前段の「天地人々ワレ一体」は仏教用語で言えば自他一如であるが、後段の「感謝の礼」とは、感謝する対象と感謝する者の二元論につながるのではないかと疑問に思っていましたが、ここで「全方向」がキーワードになるのではないか、つまり全方向に向かって謙虚に礼をする自分を想像すると、自ずと自身の存在が消え、その場の全てのものと融和してしまうのではないか・・・。

武術では独りよがりの技は相手に利きません、先ず相手と調和しなければなりません。その為には、思考に頼らず、「私が・・・、俺が・・・」の意識を捨て、ブルース・リーの言う通りDon’t thinkで、視覚ではなく身体で相手を感じ、波長を合わせる必要があります。又、組み手、組み太刀における心の有り様はイソップ寓話の「北風と太陽」が参考となるはずです。現在世界各地で紛争が起こっていますが、首脳達が少なくとも私人ベースでも「北風と太陽」の物語が言わんとすることをシェアすればと思う次第です。

個人稽古として、松濤会流空手の型「三戦(サンチン)」を行うと、自身と周りの境界が溶けてくるような気がしてきます。又この型は体の使い方や呼吸法も教えてくれる素晴らしい型です。

この様にその時空間と周りの道友や全てのものと融和・調和している意識に至れば、力業ではなく気(?)のパワーを発揮出来るのではないかと思っています。

以上

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